ここでは、私がSalesforce認定Pardotスペシャリストの資格に合格するまでの勉強法や試験概要、難易度などをご紹介します。デジタルマーケティングに関する知識は多少はあるものの本職ではない私ですが、実機に触れず座学だけで一発合格することができました。少しでも興味のある方の参考となれば幸いです。
なお本記事は、私が2021年7月にSalesforce認定Pardotスペシャリストを受験したときのことをまとめていますが、引用先などはなるべく最新のものになるよう調べて書きました。ご参考になれば幸いです。
Salesforce認定Pardotスペシャリスト受験のきっかけ
私はデジタルマーケティングに触れる機会が多い環境で仕事をしていますが、エンジニアやマーケター、ITコンサルタントというわけではありません。しかし、マーケターやコンサルタントの方と一緒に仕事を進める機会が比較的多い環境です。
仕事を進める中で特に多いのが、企業へのマーケティングオートメーション(MA)導入提案です。マーケティングオートメーションとは、顧客情報をツール上で一元的に管理し、デジタル技術を活用してマーケティング活動を自動的に行う手法・ツールのことです。有名なマーケティングオートメーションツールは、Salesforce社が提供しているMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)や、Adobe社のMarketo Engageなどが挙げられます。特に私はMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)関連の案件に携わる機会が多く、デジタルマーケティングに関する知識も自然と蓄えられる環境です。
この蓄えた知識を無駄にはしたくありません。そこでSalesforceのWebサイトを調べてみると…、やはり資格がありました。Salesforce認定Pardotスペシャリストという資格です。
Salesforce認定Pardotスペシャリストの試験範囲
Salesforce認定Pardotスペシャリストは、Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)について一定のスキルがあると認められた人に付与される資格です。なお、Pardotという名称は2022年4月にMarketing Cloud Account Engagementへと変更になったのですが、資格名は変更されていません(2022年10月25日時点)。しかし、いずれは変更されると思われます。
Salesforce認定Pardotスペシャリストの受験対象者ですが、SalesforceのWebサイトによるとMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)あるいは類似のマーケティングオートメーションツールの利用経験が6カ月~1年くらいの方を対象としています。また、試験範囲は公式ページによると以下の通りとなっています(2022年10月25日時点)。
ビジターとプロスペクト(8%)
管理(11%)
Pardotフォーム、フォームハンドラー、ランディングページ(20%)
リードの管理(24%)
メールマーケティング(20%)
Engagement Studio(17%)
試験時間は90分で、合格点は72%と少々高めです。なお合格率は非公開の模様。自宅あるいはテストセンターで受験でき、受験料は20000円となっています。やはりベンダー試験は高いです。ただしSalesforceの資格の大きなメリットとして、一度取得した資格は無料で維持できる点が挙げられます。ほかのベンダー試験は有効期限が定められていたり、維持するために一定の費用がかかったりと継続的に出費が発生しますが、Salesforceの資格にはそれがありません。ベンダー資格としてはコストパフォーマンスに優れているので、「年に1度の贅沢だ!」と受験を決意しました。
Salesforce認定Pardotスペシャリストに関する詳細情報は、下記ページの「受験ガイドはこちらから」もご参照ください。
余談ですが、Salesforce認定Pardotスペシャリストの有資格者は、私が受験を決意した2021年7月時点で934名でした。いま調べたところ、2022年10月時点では1282名となっています。じわじわと増えていますね。詳細は以下のページに掲載されていますので、興味のある方はご参照ください。
Salesforce認定Pardotスペシャリストの試験対策
Trailheadを使った学習
Trailheadとは、Salesforceが提供する無料学習ページです。ログインして利用することで、Salesforceに関連するさまざまな知識が身に付けられます。学習内容はモジュール化されており、学習を完了させるとポイントやバッジが獲得できます。ポイント・バッジを集めることでTrailblazerランクが上がっていくなど、学習が楽しめる仕掛けが用意されているのが嬉しいです。今回はSalesforce認定Pardotスペシャリストの資格獲得に必要なモジュールがまとめられたTrailmixを活用しました。

基本的には座学のみで、ハンズオントレーニングのようなものはありません。Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)に触れながら学習したい場合、自分で環境を用意する必要があります。私はMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)に触れられる環境がなかったため、座学のみで学習を進めました。
なお、私はデジタルマーケティングについての基礎知識はもっていたので特に勉強しませんでした。しかしデジタルマーケティングの知識がないと、上記のトレイルを進めてもなかなか理解が進まないと思います。そのような方は、最初にGoogleが用意している以下のデジタルワークショップを受講するとよいでしょう。無料でデジタルマーケティングの基礎が学べます。

Udemyの試験対策問題集を解く
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)に関する書籍が見つからなかったので、Udemyで問題集を購入しました。残念ながら日本語版はなく、すべて英語版だったので最も問題数が多いこちらを購入し、ブラウザの翻訳機能をフル活用して解いていきました。

金額が高いのですが、セール期間中は9割引(!)で購入できました。
Web上の試験対策問題集を解く
Salesforce認定Pardotスペシャリストに関する情報をまとめたサイトは結構あります。私はとあるWebサイトを参考にしましたが、閉鎖(?)されているようなので、ここでは別サイトをご紹介します。

本番試験では似たような問題もいくつか出題されました。このサイトがなければ、合格は難しかったかも。感謝です。
Salesforce認定Pardotスペシャリストの受験と結果
Salesforceの資格試験は自宅あるいは全国各地のテストセンターで受験できます。ただ私はMicrosoftの試験でテストセンターを利用していたので、今回もテストセンターで受験しました。いつも通り、試験開始時間の30分前に到着し、受付で名前と受験する試験名、本人確認書類が2点を提出。いつも通り「準備ができたらいつでも受験できます」とのことでしたので、予定より早めに試験開始しました。
Salesforceに関連した問題で躓きましたが、そのほかは自信をもって回答できました。結果、残り時間約30分を残してすべて回答。見直ししようかと思いましたが、「大丈夫だろう」と考えて採点ボタンをクリック。結果は以下の通りです。

比較的余裕をもって合格できました!正答率と問題数をもとに計算すると60問中49問、全体の正答率82%という結果です。Administration(管理)の正答率が42%と低いのは、Salesforceに関する問題の影響かと思われます。ともあれ、受験料が高いので一発で合格できて良かったです。
なお、合格画面が表示されてから30分くらいで、合格証と名刺などへ掲載するためのロゴデータURLが送られてきました。
合格後は、TrailHeadとWebasessorのリンクが必要です。リンクさせることでTrailHeadのプロフィール画面に取得資格やステータス(資格が有効かなど)が表示されるほか、更新モジュールを受講することで資格維持ができるようになります。忘れずに行いましょう。
Salesforce認定Pardotスペシャリストを取得したことにより、マーケティングオートメーションについてマーケターやコンサルタントと同じ目線で話せるようになったというのが大きな収穫です。仕事でMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)に携わっている方、これから携わる予定のある方は、資格取得をおすすめします。